それでは善き終末を

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【蜘蛛の糸】排除しますで ぷつりと切れた 

蜘蛛の糸・地獄変 (角川文庫)

ある日の事でございます。
御釈迦様は極楽の蓮池のふちから下の様子を御覧になりました。
この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居りますから、
水を透き徹して地獄の景色がはっきりと見えるのでございます。

するとその地獄の底に細野と云う男が一人、

ほかの罪人と一緒にうごめいている姿が御眼に止まりました。
細野豪志と云う男は、

自民党は戦争をしたがっている」とTVで言ってみたり、
勝手に憲法改正案を雑誌に公開して蓮舫代表に怒られたり、
キャスターの仕事が決まったばかりの山本モナを五反田のホテルに連れ込んだり、
いろいろ悪事を働いた大罪人でございます。
それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。
と申しますのは、民主党が政権与党になるまえ、

この男は靖国神社に参拝していたのでございます。

御釈迦様は地獄のようすを御覧になりながら、

出来るならこの男を地獄から救い出してやろうと御考えになりました。

幸い緑色の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。

御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、遥か下にある地獄の底へ、

まっすぐにそれをおろしなさいました。

 

こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一緒に、

浮いたり沈んだりしていた細野でございます。

なにげなく、血の池の空を眺めますと、遠い遠い天上から、

銀色の蜘蛛の糸がまるで人目にかかるのを恐れるように、

するすると自分の上へ垂れて参るではございませんか。

細野はこれを見ると、思わず手をうって喜びました。

この糸にすがりついて、どこまでものぼって行けば、

きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。

いや、うまく行くと、政権与党にへはいる事さえも出来ましょう。

こう思いましたから細野は、早速その蜘蛛の糸をしっかりとつかみ

上へ上へとたぐりのぼり始めました。

ところがふと気がつきますと、蜘蛛の糸の下の方には、数限りもない罪人たちが、

自分ののぼった後をつけて上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか。

しかも先頭は前原誠二でございます。

細野はこれを見ると、驚いたのと恐しいのとで、

ばかのように大きな口を開あいたまま、眼ばかり動かして居りました。

自分一人でさえ断ちきれそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数の重み

に堪える事が出来ましょう。

もし万一途中で断ちきれたと致しましたら大変でございます。

そう思っている間にも罪人たちは何百となくまっ暗な血の池の底から、

うようよと這い上って、細く光っている蜘蛛の糸をせっせとのぼって参ります。

今のうちにどうかしなければ、糸はまん中から二つに断ちきれて、落ちてしまうのに違いありません。

 細野は大きな声を出して、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸はおれのものだぞ。お前

たちは一体誰に尋きいて、のぼって来た。下りろ。下りろ。排除だ。排除。」

とわめきました。
 

その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、

ぷつりと音を立てて断ちきれました。

ですから細野もたまりません。あっと云う間まもなく風を切って、

こまのようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、

まっさかさまに落ちてしまいました。

 後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。

 御釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終をじっと見ていらっしゃいましたが、
やがて悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。

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蜘蛛の糸・地獄変 (角川文庫)

蜘蛛の糸・地獄変 (角川文庫)