それでは善き終末を

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美しく飛ぶ『飛行機』を作った のであって兵器としての『戦闘機』を作ったのではない

友人が書籍『失敗の本質』を読むと言うので、ちょっとその本のこと書いてみます。

この本で言う失敗というのは、先の大戦での日本軍の失敗のことです。

 

たとえば・・・

以前、零式艦上戦闘機零戦)の開発者を主人公にしたアニメ映画がありました。

そのなかで開発者は美しく飛ぶ『飛行機』を作った

のであって兵器としての『戦闘機』を作ったのではない。

という雰囲気が強調されていました。

 

『失敗の本質』はこれを失敗と言います。

飛行性能を極限まで追求した零戦は、極限まで軽量化されます。

それは装甲を極限まで薄くすることにつながり、

結果、被弾すると簡単に撃墜されてしまう飛行機となりました。

 

現場からは装甲を厚くするよう意見がでていましたが、

開発、製造部門はそれを聞き入れなかったそうです。

人命より性能の追及が優先されてしまったと言えます。

 

それでも能力が高く、経験豊富なパイロットが搭乗するならば

『当たらなければどうということはない』byシャア・アズナブル

と言えます。

しかし、戦争が進むにつれエースパイロットたちは次々と戦死。

徐々に経験の浅いパイロットが多数を占めていきます。

その結果空中戦で撃墜される確率はますます高まり、

特攻という手段を選ばざるをえなくなる・・・

 

戦争を扱った書籍は感情、思想的なものが多いですが、

『失敗の本質』はとても合理的に問題点を述べていきます。

私にとっては考え方を変えてくれるいい本でした。

市立図書館などにもあると思うので興味のある方は読んでみてください。

 

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)